神戸市が検討している「タワマン空室税」とは?
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2025年1月、神戸市がタワーマンションの空室所有者に対して新たな税金を課す検討を始めました。
この「タワマン空室税」は、住民登録のない空き部屋に対して課税するというものです。
タワマン空室税の目的と背景
「タワマン空室税」の主な目的は、マンションの適正管理の促進です。
タワーマンションに空室が増えると修繕や将来の解体における合意形成が困難になり、建物の老朽化に対して対策が後手に回ってしまう恐れがあります。
また、投資目的や富裕層の節税を目的としたタワマン購入を抑止し、居住目的の購入が促進されることで、安定した自治体の税収にも繋がるという目論見もあるのでしょう。
神戸市内のタワーマンションにおいて、6件に1件は住民票を置いていないことが有識者会議の報告書によりわかっています。
多くの地方都市は人口の流出を止めるとともに、いかにして定住者を増やすかが大きな課題になっており、神戸市も例外ではありません。
神戸市は、2020年にはタワーマンションの林立を防ぐ条例を施行し、JR三ノ宮駅周辺では、住宅の新築を禁止、周辺の都心エリアでは1000平方メートル以上の敷地の住宅容積率の上限を400%に制限しています。
かなり踏み込んだ規制を行い、郊外の駅周辺を再整備して住宅地としての魅力向上に力を入れています。
久元市長は「目の前の人口増をめざすのではなく、長い目でみて持続可能な都市として発展していきたい」と述べています。
タワマン空室税は投資・節税目的の購入抑制になるのか?
都市部のタワーマンションを購入する層は、大きく「実際に居住する人」と「そうでない人」に分かれます。
居住目的でない場合、富裕層による投資や節税対策、あるいは単なる資産保全のために購入されるケースが多く見られます。
特に高級タワーマンションは節税効果が大きいことが特徴です。
相続税の評価額が実勢価格よりも低く設定されることが多いため、相続税対策として購入されるケースも少なくありません。
今回話題になった「タワマン空室税」が施行されたとしても、課税額は(少なくともタワマンを購入できる資産家や富裕層にとっては)軽微になる可能性が高いと考えられます。
投資・節税目的の購入抑止に本気で取り組むのであれば、相続税をもっと厳しくする、タワーマンションの評価額を実勢価格に近づけるといった措置ならば、一定の効果があるかもしれません。
また、課税の基準となる路線価と実際の売買価格には大きな差があり、これを実態に合わせて見直すことのほうが、より効果的な対策となるでしょう。
だからといって何も対策を講じないというのも問題です。
東京や大阪などの人気エリアの新築マンションは、投資目的の購入者によって価格が押し上げられ、本当に住みたい人が買えない状況も生まれています。
例えば「晴海フラッグSKY DUO」では、購入権を得るための抽選倍率が最高で640倍に達し、そもそも購入できる権利を得ること自体が非常に困難な状況です。
これは一種の富裕層による不動産の「買い占め」とも言えます。
一方で、コンサートチケットやグッズの転売行為は社会的に批判される一方、不動産投資による「買い占め」についてはあまり問題視されないのは不思議な現象です。
また、都心の湾岸エリアのタワーマンションの中には、実際に居住されず違法民泊として運用されているという噂も広まっており、タワーマンションや富裕層向け物件への反感や不満の声が少なくありません。
こうした状況に対して、何らかの対策を講じることは一定の抑止力となっていくのではないでしょうか。
2029年に施行予定の京都市の「空き家税」や今回の神戸市の「タワマン空室税」検討が起点となり、他の自治体や大都市圏でも居住目的以外での購入抑止や購入後の空き家への課税などの対策が少しずつ広まっていくかもしれません。
参考資料:「タワマン空室税」は、投資や節税目的のマンション購入を抑制する効果はあるのか? 不動産事業者の視点から考察|ダイヤモンド不動産研究所