都心にありながら、喧騒を感じさせない街。『下落合』

下落合はJR山手線『目白駅』に佇む閑静な住宅街

山手線でもひときわ小さな駅。目白駅は東京にいてもなかなか降り立つことのない駅の一つではないだろうか。その改札を出ると、目の前には目白通りがあり、右に学習院大学、そして左には目白の街並みが見える。下落合はこの街並みを少し歩いた南側に広がっている。少し歩いていて感じたことは、空抜けが良くてとても明るいということ。新宿区と聞くと所狭しと立ち並ぶビルの間を行き交う大勢の人々を思い起こすが、目白通り自体が車道も歩道も幅が広く、あまり高い建物がないため、新宿とは思えないほど、開放的で閑静なエリアだ。

目白通りは物静かで、いい意味で目立った特徴がない

目白通り沿いを西にずっと歩いてみる。とても静かだ。大騒ぎしている人もうるさい車もまったく見かけない。通り沿いのお店も静かに佇んでいるように見える。この場所にいると、今、自分が都会の真ん中にいることを忘れてしまう。これがこの場所が持つ空気感なんだろう。いい意味で目立ったものがない。だからこそ居心地がいい。

駅前に居酒屋が少ないことも好印象だ。仲間とお酒を飲みながら大騒ぎする光景はこの街では見られない。帰ってくるとなんだかホッとする。

 

下落合は光と緑に包まれている

目白通りから少し南側に歩いていく。大通りから離れても変わらない空抜け。道幅は広く、家が隣接していない。どこにいても暗がりがなく、ほどよく明るい。そして公園、緑道だけでなく街の所々に木々が並び、全体として緑に包まれているような雰囲気がある。街の人に聞くと、野生のたぬきがいることもあるのだそう。小道に置かれたベンチに座ると、とても心が落ち着く。

 

お酒とデザート。自宅が楽しくなる超有名店

目白通りに国内屈指の名店があるのをご存知でしょうか？それは、酒屋『目白田中屋』とパティスリー『エーグルドゥース』です。

『目白田中屋』はさまざまな業界人たちが頻繁に足を運ぶ酒屋さんで、「土産に酒を持っていくなら、伊勢丹の地下か目白田中屋に行く」と言われています。店内に足を踏み入れると圧巻です。世界中のお酒がぐるりと壁一面を埋め尽くしています。一見の価値ありなので、あえて写真は掲載しません。びっくりするので行ってみてください。お店の方もとても親切で、丁寧に教えてくれます。

パティスリー『エーグルドゥース』。東京で一番おいしいと言われるケーキを買おうと、日本中から人が集まってきます。この日も大行列。散歩がてら立ち寄って買おうと思っていましたが、残念ながら買えませんでした。近いうちに再チャレンジしようと思います。

 

下落合は落ち着いて暮らす、地元のための街

下落合という街が、都心にありながらまったく喧騒を感じさせないのは、外から人が入ってこないからだと感じた。街を歩いた実感ですが、仕事や観光、ショッピングなど、人が訪れる要素がこの街にはほとんどない。街には住む人が使うためのものしかないのである。だからこそ都会の真ん中という立地でありながら、落ち着いた佇まいを維持できている。なんて贅沢なんだろう。にぎやかな場所に疲れ、移り住む人が多いというのも共感できる。